団体概要

団体概要

団体名

一般社団法人日本モバイル建築協会 略称(モバ協)
英文名:Japan Mobile Architecture Association 略称(JMAA)

設立

2021年5月6日

所在地

〒101-0047 東京都千代田区内神田2丁目12−1

研究開発センター

〒306-0414 茨城県猿島郡境町内門600ー1
モバイル建築 さかい研究開発センター
※カーナビをお使いの方は、「境町内門608-1」を目標においで下さい。
 道路挟んだ反対側(東側)が研究開発センターになります。

顧問

御厨 貴
 ・東京大学名誉教授

代表理事

長坂 俊成
 ・株式会社スタンバイリーグ 代表取締役
 ・立教大学教授(リスク学・防災危機管理)

理事

木ノ下 勝矢
 ・レスキューサポート九州 理事・事務局長
小島 誠一郎
 ・一般社団法人地域情報共創センター 代表理事

監事

宮本 聖二
 ・立教大学客員教授

技術アドバイザー

青木 謙治
 ・東京大学教授(木質構造学)
川口 淳
 ・三重大学教授(建築構造学)
髙口 洋人
 ・早稲田大学教授(都市環境工学)
髙橋 治
 ・東京理科大学教授(建築構造学)
中野 晋
 ・徳島大学特命教授(リスクマネジメント・地域防災学)

事務局長

小島 誠一郎

ホームページ
取引銀行

住信SBIネット銀行 法人第一支店
普通 1640657
一般社団法人日本モバイル建築協会

目的・事業概要

 当法人はモバイル建築注1)の研究開発及び公民協働による社会的備蓄の普及を通じて、国難級の災害時における居住福祉の改善並びに新型コロナウイルス禍以降の新しいワークライフスタイルに即した国民生活の向上と地方創生に寄与することを目的として、次の事業を行う。

(1) モバイル建築に関する技術の調査研究、開発、試験検証
(2) モバイル建築のオフグリッド化注2)に関する技術の調査研究、開発、試験検証
(3) モバイル建築に関する安全性、住性能、環境性能に関する審査、認定、相談、指導
(4) モバイル建築に関する知的財産権管理
(5) モバイル建築の普及のための広報、展示、教育、研修
(6) モバイル建築の技術的・制度的課題解決のための国・地方公共団体等への提案、協力
(7) モバイル建築の社会的備蓄に関する制度やビジネスモデルの調査研究、指導
(8) モバイル建築の社会的備蓄の平時運営支援および災害時運用支援に係る情報プラットフォームの構築・運用
(9) モバイル建築の災害時運用に係る地方公共団体への調整、あっせん、仲介、支援
(10) モバイル建築・住宅の減災・免災に関する研究開発と普及
(11) その他、当法人の目的を達成するために必要な事業

注1)モバイル建築:完成した恒久仕様の木造建築物を解体せずに容易に基礎から分離し、ユニット単位でクレーン等を用いて吊り下げトラック等に積載し目的の場所に輸送し、迅速に移築することを繰り返し行うことができる構造を有する建築物の総称。
注2)オフグリッド:電気、ガス、水道などの公共の供給施設に依存せずに生活や活動を維持し、かつ、環境への負荷を軽減する技術。

代表挨拶

日本モバイル建築が目指すもの

東日本大震災では、約4万9千戸の仮設住宅が建設されました。すべての応急仮設住宅ができるまでにかかったのは8ケ月。それまでの間、被災者は劣悪な避難所での生活を強いられました。非常に多くの方が身体的・精神的に疲弊し、間接的な被害を拡大してしまいました。
今後起こると予測されている南海トラフ地震では、既存の民間賃貸住宅の借り上げをフルに活用しても、約84万戸の応急仮設住宅が不足すると推定されています。この84万戸を発災後にプレハブで作り始めるとすると、東日本大震災の時以上に時間がかかることは明白です。それを解決するために、あらかじめ全国で作っておいた住宅を、発災後、瞬時に被災地に送り込むことができないかと考えました。私たちはこれを「モバイル建築」と呼んでいます。

モバイル建築は、完成した建築物を解体せずに容易に基礎から分離して、ユニット単位でクレーン等で吊り下げ、トラックに積載輸送して迅速に移築することを繰り返すことができる構造を持つ建築物の総称です。そして、これらのユニットを、普段は各地で多様な用途に活用しながら災害に備えるのが「社会的備蓄」です。
社会的備蓄は一般的に言われる公的な防災備蓄とは違います。たとえば平常時は自治体の公園やキャンプ場等で宿泊施設等として利用して、災害がおきたときに、災害救助法に基づいて被災地に貸し出すという仕組みです。
応急住宅の種類の中で災害時に民間の賃貸住宅を借り上げて仮設住宅として被災者に供する仕組みは「みなし仮設住宅」と呼ばれています。モバイル建築は、もともと本設の恒久住宅や非住宅施設として開発されたユニットですので、仮設住宅として利用する場合も一般の住宅と同等以上の安全性と居住性能、環境性能を有しています。恒久住宅を被災地に移動して仮設住宅として使うわけですから、つまり「動く『みなし仮設住宅』」なのです。

国難級の大規模災害では社会的備蓄だけでは足りませんので、発災後に全国の協力工場がモバイル建築をライセンス生産し被災地に動くみなし応急住宅として迅速に届けることができます。
さらに、恒久住宅と同等の安全性と性能を有するモバイル建築をはじめから本設の災害公営住宅として供給することもできますので、被災者は、仮設住宅での生活をスキップして避難所から直接本設の恒久住宅に入居し早期に安心した暮らしを取り戻せます。これがモバイル建築の大きなメリットです。

さて、各地で社会的備蓄をしているモバイル建築をどのように「普段使い」するか。地方創生、またウィズコロナの時代のテレワークやリモートオフィス、ワーケーション、さらには地域の子ども食堂や学習支援、ケアラー(家族介護者)の支援施設など、様々な用途が考えられます。この平常時の利用を進めていくにあたっては、自治体との連携、官民の連携が不可欠ですし、企業の方々にも様々な知恵と力をお借りししたいと思います。

モバイル建築の社会的備蓄を先導していただいている茨城県境町では、企業版ふるさと納税を活用した取り組みを進めています。ホッケー場のクラブハウスや、地方創生の拠点整備交付金によるホテルをモバイル建築で建設。これら施設を連携させて活用することで関係交流人口を増やして、町の活性化に貢献しながら被災地を支援するための社会的備蓄に協力いただいています。さらに、普段は学童クラブとして使っているモバイル建築を災害時はグループホーム型の福祉仮設住宅に転用する、移住体験住宅を災害時には「仮設スキップ」の本設の公営住宅として移設するなど、新しい形の備蓄も進めています。太陽光パネルや蓄電池を搭載したモバイル建築のオフグリッド化にも取り組みます。

このモバイル建築は、木造の在来工法、CLT工法など、様々なタイプのユニットがあります。協会はそれぞれのメーカーの技術や特徴を生かしつつ、安全性や居住性、環境性能の向上のための研究開発や共通基盤の規格化、認証事業などに取り組みます。モバイル建築のオープンなプラットフォームとして、限られたメーカーの製品に限定せずに、建築関係・工務店はもちろん他業種からの新規参入やライセンス生産等のマッチングにより、国難級の災害に備え供給能力の向上に努めます。また、災害時に備え全国の工務店が様々なメーカーのモバイル建築を被災地に移設するための技術研修など人材養成にも取り組みます。

モバイル建築はユニット化、スケルトンインフィル化を前提に設計されていますので、多連結・多層化が可能です。また、普段は非住宅でも災害時に住宅仕様に簡単にコンバージョンができる工夫などハウスビルダーだけではなく住宅設備や建材メーカーとの協力・連携も不可欠となります。

実際に災害が起こると、各地で社会的備蓄をしているモバイル建築を被災地の自治体に届けるために斡旋・調整する役割が必要になります。それを担うのが日本モバイル建築協会です。

そのため協会では斡旋・調整を効率的に行い事ができる情報システムの開発に着手しました。このシステムは自治体の災害対応システムとの相互運用を目指し、応急住宅のあっせん要請や、発注業務、輸送手配、仮設用地での設置工事等の業務を遠隔から支援します。

自治体や、建設や住宅関係の企業の力だけでは、モバイル建築の社会的備蓄は実現しません。金融機関やリース会社や損害保険、レンタル事業、土地の有効活用をするデベロッパーなど、ハード面・ソフト面ともに、多様な分野のビジネスの知恵が求められます。
そこで、自治体はじめ、様々な分野の企業に会員になっていただき、社会的備蓄を普及するためのビジネスモデルやソーシャルモデルに取り組みます。
協会では社会的備蓄の効率的な運営を支える情報システムとして、コロナ禍の新たなワークライフバランスを支えるワーケーションや長期滞在型のテレワーク施設の運営管理システムの開発に着手しました。このシステムは、予約から決済、部屋割り、電子ロック、セルフチェックインなどをワンストップで管理できるシステムで本年12月に会員自治体や指定管理団体の利用を開始する予定です。

モバイル建築を利用した応急住宅・復興住宅の社会的備蓄を推進し、官民協働・総力戦で、国難級の災害に、本気で備えましょう。そのために、ぜひ皆さんのお力とお知恵をお貸しください。
当協会へのご参加・お問い合わせをお待ちしています。

2021年7月

一般社団法人日本モバイル建築協会
代表理事 長坂俊成

プロフィール

長坂 俊成(NAGASAKA Toshinari)

 1962年生まれ。専門は防災危機管理、リスク学。中央大学法学部政治学科卒、筑波大学大学院経営政策科学研究科修了。経営コンサルタント、トロンプロジェクト、民間シンクタンク、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特別研究助教授、独立行政法人防災科学技術研究所プロジェクトディレクターを経て、現在、立教大学大学院社会デザイン研究科教授兼社会学部メディア社会学科教授。株式会社スタンバイリーグ代表取締役(国産木材を利用したモバイル建築の開発と災害対策と地方創生に資する社会的備蓄事業に取り組む立教大学発ソーシャルベンチャー)、一般社団法人協働プラットフォーム理事(地方公共団体の災害対応支援事業)を兼務。

一般会員  12団体

公共会員(国、地方公共団体)  8団体

学術会員(大学等研究機関)  2名

賛助会員

協定締結

2024年8月現在

災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定  

■都道府県    2件

・石川県
・鳥取県

■市町村     14件

・境町(茨城県)
・南伊勢町(三重県)
・いなべ市(三重県)
・由布市(大分県)
・東員町(三重県)
・幸田市(愛知県)
・つくばみらい市(茨城県)
・上峰町(佐賀県)
・常滑市(愛知県)
・橋本市(和歌山県)
・松阪市(三重県)
・大船渡市(岩手県)
・新富町(宮崎県)
・北栄町(鳥取県)

災害発生後の復旧活動に必要となる仮設建築物の建設に関する協定

■都道府県    1件


・石川県

■市町村      1件

・輪島市(石川県)

地方創生並びに地域防災力の向上に関する包括連携協定

■市町村     14件

・境町(茨城県)
・南伊勢町(三重県)
・いなべ市(三重県)
・由布市(大分県)
・東員町(三重県)
・幸田市(愛知県)
・つくばみらい市(茨城県)
・上峰町(佐賀県)
・常滑市(愛知県)
・松阪市(三重県)
・大船渡市(岩手県)
・丹波山村(山梨県)
・新富町(宮崎県)
・北栄町(鳥取県)

協力団体

一般社団法人協働プラットフォーム http://www.platform.or.jp/