能登半島地震被災地支援 -応急仮設住宅「やなぎだ第3団地」完成披露会-

8月29日、石川県能登町で開催された「みんな奥能登におかえりなさい会」(主催:石川県聴覚障害者災害救援対策本部)に、当協会の長坂代表理事と、建設を担当いただいたクリエイト礼文の大場社長が参加させていただきました。

おかえりなさい会は、木造モバイル建築の技術を活用した応急仮設住宅「やなぎだ第3団地」の完成にともない、白山市などにニ次避難されていた聴覚障がいの方々が、被災前に暮らしていた奥能登に戻り地域の方々と元の暮らしを取り戻すことをお祝いすることを目的として開催されました。会の終了後、入居者の方々の許可を得て、完成した仮設住宅の披露会が開催されました。

この木造モバイル建築は、1K(約20㎡ 一人世帯)×2戸と2K(約30㎡ 2人世帯)が1戸、計3戸から構成される長屋方式の仮設住宅となります。

能登半島地震発災後に、社会福祉法人石川県聴覚障害者協会能登就労支援事業所やなぎだハウス(B型通所)より相談を受け、通われていたご高齢の聴覚障がいの方々で自宅が全壊した4名3世帯(被災前の居住地:能登町、輪島市、珠洲市)が、共に支え合い、地域の方々と暮らせる仮設住宅の設置を要望されました。

モバイル建築の特性を紹介させていただいたところ、聴覚障がいの方々のニーズを踏まえて、以下の条件を共有しました。

・障害当事者の集住によるピアサポートなど多様性を尊重したニーズに対応できること。

・将来的にやなぎだハウスに通所することが可能な場所であること。

・きこえない人のくらしの拠点となれる場所であること。

・仮設住宅の供与期間である2年経過以後、移築(長屋形または戸建で)して本設移行できること。

・当事者団体または本人が仮設住宅の買い取りを希望する場合、新たに取得した土地(やなぎだハウスに通える)や、被災した自宅を公費解体し更地になった自分の土地に移築し、終の住処として安心してくらせる選択肢をもてること。

・長屋形式の仮設住宅を世帯毎に分割し戸建として移築できること。

・移築する際に、モバイル建築ユニットを加えて居室を拡張(増築)できること。

なお、この応急仮設住宅は聴覚障がいの方々の住まいのため、玄関の呼び鈴及び自動火災報知機には、光で知らせるものを設置しております。

上記の条件に賛同いただいた会員企業のクリエイト礼文(本社山形市)を石川県に斡旋させていただき実現できました。

ご協力いただきました行政ならびに関係者の方々に感謝申し上げます。

この記事を書いた人

一般社団法人日本モバイル建築協会